今回のテーマは 親指AF です。
一眼レフカメラやミラーレスカメラを使っている方なら一度は聞いたことがあったり、実際に使っている方もたくさんいると思います。
私も何年か使っていたのですが、いろいろと考えた結果しばらく親指AFをやめてみようと思います。
今回は親指AFのメリットとデメリットについて、個人的に感じた事をまとめてみます。
親指AFとは
親指AFは親指でAF作動をコントロールします。
カメラの一般的な設定では、写真を撮るときに人差し指でシャッターを半押しすることでAFが作動し、最後まで押し切る事で撮影ができます。
この写真を撮る一連の動作の中で、半押しでAF作動の部分を親指で行い、全押しで撮影の部分を人差し指で行うことで、2つの作業を2本の指で分担して行います。
設定はカメラによって変わってきますが、基本的には同じで、シャッター半押しからAF作動を外し、グリップした時に親指の位置にくるボタンにAF作動を割り当てます。
【6DⅡの場合】
親指AFのメリット
私は撮影ごとにAFがリセットさないことに魅力を感じて親指AFを使っていました。
①静物の連続撮影
静止した被写体にピントを固定した状態で構図を変えて撮影するフォーカスロック撮影では、AFボタンから親指を離すだけで、ピントを固定する事ができるので、被写体との距離を変えなければ、構図を変えながら何回も繰り返し撮影することができます。
②動体の連続撮影
任意のAFポイントで動く被写体を追従しながらの連続撮影では、親指でサーボAFを作動してピントを合わせ続けながら、何回も繰り返し撮影する事ができるので、動体のシャッターチャンスを捉えるためには有利になります。
他にも細かい利点はありますが、私はフォーカスロックでの連続撮影と動体追従での連続撮影が親指のコントロールだけで簡単にできる事が親指AFの最大のメリットだと感じています。
親指AFのデメリット
親指が押しづらい
これは私個人の感想で、使用するカメラや手の大きさによる影響が大きいのですが、親指AFのボタンの位置によってはグリップ感が悪くなってしまうことがあります。
以前使用していた70Dや6DⅡといったレフ機ではそれ程感じなかったのですが、コンパクトなミラーレスカメラに移行することでその影響が大きくなりました。
【グリップと親指AFボタンの位置の比較】
こうやってみると、6DⅡの親指AFの位置は私の手の大きさにぴったりで、サイズ的にも手に吸い付くようなフィット感があります。
それに対してkissMやRPはコンパクトなボディの代償として、グリップ感はどうしても悪くなってしまいます。その状態でさらに親指を押しにくい位置に動かすと撮影時の安定感を失ってしまいます。
親指が忙しい
カメラの設定を変える時に一番多く働くのは親指です。
グリップしながら動かせる指は人差し指と親指ですが、カメラの操作項目の多くは親指側にあり、人差し指がシャッターを押すまでの間に、親指は目まぐるしく動き回って撮影者の意図を写真に反映するための設定をします。
どうみても人差し指より親指のほうが仕事が多いのに、さらにAF作動という人差し指でも出来る仕事を親指に任せてしまうのは、どうしても効率が悪くなってしまうように感じます。
例えば自分でAFポイントを決める場合、マルチコントーラーや液晶のタッチ&ドラッグAFで任意の場所に設定した後に親指でAF作動してから人差し指で撮影するよりも、親指でグリグリとポイントを合わせながら人差し指でAF作動と撮影をした方がテンポ良く撮影ができます。
親指AFに変わる操作方法
レフ機からミラーレスカメラに移行することで、グリップ感の低下や液晶操作が増えたため、最近は用途やカメラによって親指AFの設定を切り替えていたのですが‥やっぱり操作性は統一していないと混乱してしまいます。
そこでいっそのこと、親指AFを使わない操作方法に統一してみることにし、EOS RPでのAF操作を以下のように変更してみました。
今まで親指AFに使用していたAF-ONボタンには動体と静物の切り替えをするためにワンショットAFとサーボAFの切り替えを割り当てます。
被写体に応じてシャッターボタンの横にあるMfnボタンでAFフレームを選択します。選択項目を制限し、ボタンを押すごとに、顔+追尾優先AF⇔1点AF⇔領域拡大AFに変更できるようにしました。
顔(瞳)追従AFの場合、顔を検知しないときは、AF領域全体で自動選択AFを行うため、人物撮影以外の動体や静物も自動選択してくれます。障害物がなければ自動選択でも正確です。
任意のポイントを指定したい時は1点AFや領域拡大AFを選択して、液晶タッチやタッチ&ドラッグAFでAFポイントを自分で選択します。
静物撮影
ミラーレスカメラでは液晶操作がすぐにできるので静物撮影では液晶でタッチシャッターを使うと簡単です。
ファインダー撮影でもAFポイントが細かく、AFポイントを自動選択で被写体にロックしてしまえば、カメラを動かしてもかなり正確に追従してくれるのでフォーカスロックをする必要があまりないかもしれません。
障害物がある時などもAFフレーム中央戻しボタンでAFポイントを中央にしてから自動選択で被写体にロックし、カメラを動かして構図を変えると簡単に連続して撮影ができます。
置きピンや風景撮影などで長い時間ピントを固定したい場合はシャッター半押しでピントを合わせた後にマニュアルフォーカスに切り替えてしまうことにします。
動体撮影
動体撮影ではサーボAFに切り替えて、AFフレームを中央にしてシャッター半押しで被写体にピントを合わせて連続撮影をします。
静物撮影と同様に自動選択で一度被写体にピントをロックしてしまうとかなり正確に追従してくれますが、動きが速い場合は中央の領域拡大AFで被写体を追うようにカメラを向けながら撮影すると、ピントの精度が高くなります。
親指AFデメリットまとめ
今回は親指AFのメリットとデメリットについて考えてみました。
私の場合はレフ機からミラーレスカメラに移行したことで、メリットよりもデメリットの方が大きくなってしまったため、親指AFを使わない操作方法に変更してみました。
まだまだ使い込んだわけではないので今回の設定がベストかどうかはわかりませんが、いろいろと試してみながら撮りやすい方法を考えていきたいと思います。