今回はRF100mmF2.8L MACRO IS USMの純正三脚座が届いたので紹介します。
三脚座といえば、大きなレンズに取り付けて重量バランスを改善するという目的で使われることが多いと思いますが、今回はマクロ撮影で横構図と縦構図を切り替えるときに、できるだけレンズの光軸をずらさないために三脚座を購入しました。
正直、製品を手にしてみないと、サイズ感や操作感についてイメージできない部分が多かったので、今回は純正三脚座の実際の使用感だったり、どういった運用をしていくのが良いのかなどを考えてみたいと思います。
マクロレンズや望遠レンズを使っていて、三脚座の購入を検討しているという方に参考にしていただければと思います。
キヤノン リング式三脚座Eのパッケージ内容
同梱品は三脚座と三脚座アダプターのみです。
三脚座本体は金属性で手に持つとそれなりに重さを感じます。艶のない黒で質感がレンズ本体と同等なので高級感と一体感があります。
アダプターはプラスチックで光沢感があり、正直かなりチープな印象です。
重さは三脚座とアダプターを合わせて約135g。
レンズと合わせるさと約900gになってしまいますが、手に持ってみると元々がそこそこ重さのあるレンズなのでそんなに気になりませんでした。
三脚座の取り付け
まず三脚座アダプターをレンズに取り付けます。アダプターの裏側に3つ小さな突起があるので、これをレンズ側にある溝に差し込んで取り付けます。
ちょっとわかりづらいですが、アダプターの表側に小さな目印があるので、これをSAコントロールのセンターラインに合わせると、ちょうど3つの突起と溝が重なって、パチンと固定することができました。
続いて、三脚座のリングを固定しているネジを緩め、カチッと音がすると引き外すことができるので、リングを開きます。
三脚座のリングをアダプターの上から被せるように取り付けます。この時もアダプター側に溝がきってあるので、そこに三脚座リングの突起がしっかりと入るように取り付けます。
三脚座リングには3つの白い目印があり、真ん中の目印をSAコントロールリングのセンターラインに合わせると、横構図でカメラとレンズを三脚に取り付けることができます。
三脚座リングのネジを緩めるとレンズを回旋させることができるので、左右の目印をSAコントロールのセンターラインに合わせると、縦構図でのセッティングとなります。
純正三脚座をアルカスイス互換に変更
三脚座の裏にネジ穴があるので、本来はここに三脚のネジを取り付けます。
うちではほとんどの三脚がアルカスイス互換クランプになっているので、この三脚座にもアルカスイス互換プレートを取り付けました。
これで着脱はかなりスムーズになると思いますが、プレートのネジをしっかりと締めておかないと微妙にズレてしまうことがあるので注意が必要です。
純正三脚座の安定感
三脚に三脚座を取り付けて、グリグリと動かしてみましたが、さすが純正だけあってきっちりと固定されています。
このサイズのレンズであればセンサーのあるカメラ側を固定してしまったほうがブレには強いような気もしますが、着脱や縦横の切り替えが楽になるというメリットがありますし、ブレて使えないというわけではないので、安定感については満足しています。
ただ、リングを固定するネジをしっかり締めておかないとレンズの回旋のロックが不十分になっていることがあったので、慣れるまでは少し気をつける必要がありそうです。
三脚座使用時のレンズ光軸の動き
マクロレンズで三脚座を使う一番のメリットは、横構図と縦構図を切り替えるときに、レンズの中心を通る光軸が動かないことです。
三脚撮影で横構図から縦構図への切り替えるときに、一番簡単なのは、自由雲台を使ってボールヘッドを90°回転させる方法です。
ただしこの方法の場合、レンズの光軸は上下にも左右にも動くので構図は大きく変わります。
これだと三脚を動かしてセッティングをやり直す必要かあるので、かなり面倒です。
そのためわたしは、三脚撮影のときはカメラにL型プレートを装着していました。
L型プレートを装着しておけば、カメラを横から縦に載せ替えるだけで構図の切り替えができます。
光軸は上下には動きますが左右にはほとんどうごきません。
このくらいであれば、三脚を動かさなくてもセンサーポールを少し下げるだけで光軸をもとの位置に戻すことができます。
さらに撮影範囲が狭いマクロ撮影では、もっとシビアに素早く構図を調整したいことがあるので、そんなときに活躍してくれるのが三脚座です。
三脚座はレンズを回旋させることで横構図と縦構図を素早く簡単に切り替えることができます。
これならレンズの光軸は全く動きません。
純正三脚座のメリット
今回はRF100mmマクロに純正の三脚座を取り付けて少し使ってみましたが、やっぱり縦横構図の切り替えについては想定通りの効果を発揮してくれました。
外観に関しても個人的にはメカメカしくなってかっこいいと思うので結構気にいっています。
そして意外に良かったのが、レンズの持ち運びや交換するときの取り回しが楽になりました。
これはRFレンズ全般に言えることなんですが、特にRF100mmの筐体は凹凸の少ないシンプルなデザインなので、急いでレンズを交換するときにすっぽりと手が外れて落としそうになったことがあるんですが、この三脚座がついたことで指をかける場所が増えて、そういった心配が少し解消されたように感じています。
純正三脚座のデメリット
続いて、純正三脚座を使ってみてイマイチだと感じた事は今のところ2つあります。
①着脱が面倒
まず、三脚座とレンズの着脱に関しては思っていたよりも面倒でした。
RF100マクロは中望遠レンズとしても素晴らしい描写性能があってAFも優秀なので、手持ちで使うことも多いのですが、三脚を使わない時は三脚座は必要ないわけで…
アダプターも含めると簡単にワンタッチで着脱できるとわけではないので、あまり頻回につけたり外したりという使い方は、自分には向いていないように感じました。
一度外してしまうと、自分の性格上だんだんとつけないことが増えてしまいそうなので、とりあえずは三脚座をつけっぱなしにして使ってみたいと思います。
意外と重さは気にならないのですが、カメラバックや防湿庫に出し入れするときに金属の三脚座部分が他のレンズやカメラに当たって傷つけてしまいそうで不安なので、慣れるまでは気をつけて運用していきたいと思います。
②価格が高い
そしてやっぱり価格…
高すぎるでしょ!
純正品なのでレンズとの一体感や安心感はありますが、それでもやっぱり高い!
安いレンズが買えてしまうくらいのお値段なので、どのくらい三脚を使うかによっても変わってくると思うんですが、正直費用対効果を考えると、サードパーティー製のものを検討しても良いのではないかと思いました。
今はまだ発売したばかりのレンズなので純正品しか選択肢がありませんが、今後いろいろなサードパーティー製の製品も出てくると思いますし、個人的には三脚座部分がアルカスイス互換のものが出てくれればそちらの方が使い勝手も良いように感じました。
あくまで個人の感想ですし、用途によって使い勝手は変わってくると思いますが、RF100mmマクロの三脚座の購入を検討している方に少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。
以上、RF100mmF2.8L MACRO IS USMの純正三脚座の紹介でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。