こんにちは、はんか です。
今回は、カブトムシが卵から幼虫、サナギ、成虫になるまでの飼育記録をまとめてみました。
「カブトムシを飼ってみたい」という方や、カブトムシを飼い始めたけどわからない事があるという方に参考にしていただければと思います。
約1年間の記録で、なかなかのボリュームになってしまったので、下の目次の中から気になる項目を選んで読んでいただければと思います。
この記事の内容はYouTubeにも投稿していますので、文字ではなく動画で見たい方はぜひそちらもご参照ください。
カブトムシ飼育を始める前に準備するもの
カブトムシを飼うための準備として、まず必要になるのが虫カゴです。
カブトムシにおすすめの虫かご
虫カゴにはいろいろなタイプがありますが、うちで使っているのはSANKO(三晃商会)のパーテーションケース大。
この虫かごは深さが約24cmで、10cmくらい土を入れても上に十分なゆとりがあるので、カブトムシが土の中や上で活動するスペースをしっかりと確保できます。
また、フタの上にある窓が大きいので、エサの交換もスムーズです。
さらに、虫かごのスペースを分けることができる仕切り板が付属しているので、オスとメスを同じ虫かごで別々に飼育することができます。
カブトムシのオスとメスをずっと一緒にしてしまうと、ケンカをしたり交尾がうまくいかない可能性があるので、ひとつの虫カゴでオスとメスを分けて飼えるのはすごく便利です。
カブトムシ飼育におすすめの土
我が家で使っているカブトムシの土は、SANKOの育成マットです。
サラサラとして保湿性もあるマットなので扱いやすいですし、産卵や幼虫の育成用のマットですが、成虫の飼育にも問題なく使えるので、最近は年間を通してこのマットしか使っていません。
カブトムシ用のマットとしては定番商品なので、近所のホームセンターやネットでも手軽に入手できると思います。
カブトムシにおすすめの昆虫ゼリー
昆虫ゼリーにもいろいろな商品がありますが、おすすめはKBファームのプロゼリーです。
とにかくカブトムシの食べっぷりが良くて、特に産卵期のメスは本当に良く食べます。
プロゼリーには通常の16gのカップの他に、オスでも角が邪魔にならないようになっている18gのワイドタイプがあります。
食べ盛りの7月は18gで、食欲の落ちていく8月は16gと高いわけても良いと思います。
プロゼリーは高タンパクなので、メスの産卵前後には特におすすめの昆虫ゼリーですよ。
カブトムシにおすすめのエサ皿
カブトムシは夜間に激しく動きまわります。
昆虫ゼリーをそのまま置いておくと、ひっくり返されたり、土にまみれて食べづらくなってしまうので、できるだけ昆虫ゼリー用のエサ皿を用意してあげましょう。木のエサ皿ならカブトムシの足場にもなるので、より自然に近いかたちで食事をすることができます。
おすすめはカマボコ型のエサ皿です。18g用と16g用があるので、使う昆虫ゼリーに合わせて準備しましょう。
切り株タイプのエサ皿も使っていますが、軽い製品だと力の強いカブトムシなら簡単にひっくり返してしまいます。
カマボコ型のエサ皿は底の面積が広くてひっくり返されることが少ないので、安心してエサを入れておくことができます。ゼリーだけ外されて土だらけになっていることはありますが…
切り株型でも、ゼリー2個用であればある程度重さがあるので、ペアの同居期間であればこちらでも良いと思います。
カブトムシ飼育の転倒予防材
カブトムシはひっくり返るとなかなか自力で元に戻れません。
フラットなマットの上だと、足をかける場所がないので起き上がることができず、体力を消耗してしまうので、木の枝なとを入れてあげます。
適当な枝を拾ってきて入れておけばOKですが、探すのが面倒な方は販売もされているので、他のものと一緒に購入してしまっても良いと思います。
カブトムシ飼育の保湿アイテム
カブトムシは乾燥に弱いので、マットが乾いてきたら霧吹きなどで保湿してあげます。
除菌・消臭効果のあるバイオ昆虫保水スプレーなども使ったことがありますが、普通の水道水でも全く問題ないと思います。
水道水を使う場合は、水を入れるスプレーを準備する必要がありますが、カブトムシの飼育ではノズルを下に向けて噴射することがほとんどなので、マルハチ産業のザ・スプレーがおすすめ。
ザ・スプレーは、振り子式ホースによってどんな角度でも使えますし、透明ボトルなので中のホースの状態や水の残量も一目でわかるので、とても使いやすいです。
カブトムシ飼育のコバエ対策
カブトムシを飼育しているとコバエが大量発生して困るという話を聞いたことがありますが、我が家ではコバエが発生したことがないので、今はとくに対策はしていません。
玄関で飼育しているためか、外からコバエが寄ってくることはありませんし、昆虫マットの中から発生すると聞いたことがありますが、SANKOの育成マットを使っていてコバエが発生したことは一度もありません。
一応コバエ取りをセットしたことはありますが、ほとんどコバエが取れず、必要性を感じませんでした。
匂い対策もかねて、ネットをしたこともありますが、エサの取り替えが面倒でやめてしまいました。
コバエ自体がカブトムシに悪影響を及ぼすわけではないようですが、衛生的にも見た目も悪いので、飼育環境によってはコバエ対策が必要になってくるのだと思います。
カブトムシ飼育の準備手順
まず育成マットを虫かごに入れていきます。
SANKOの育成マットは発酵熟成されていますが、保管状況によっては再発酵する可能性があるそうなので、マットが熱を持っていないかや、ツンと鼻をつくような発酵臭がしないかを確認します。
カブトムシは乾燥に弱いので、マットは加水しながら入れていきます。
握ると団子ができるくらいの加湿が良いと言われていますが、我が家は湿度の高い北側玄関で飼育しているので、少しマットがしっとりするくらいしか加湿していません。やりすぎるとカビの原因になるので、時期や飼育環境によって調整しましょう。
産卵のためにはマットの底部を押し固めたほうが良いそうですが、毎年カブトムシがマットの中を激しく動きまわって結局グチャグチャにされてしまうので、うちでは加圧はせずに、そのまま10cmくらいまでマットを入れています。
開封時の再発酵の有無に関わらず、念のためこの状態で風通しの良い場所に1日放置します。何回かかき混ぜて匂いや熱がないかをもう一度確認してから、虫かごの中央を仕切り板で区切り、両側に昆虫ゼリー皿、昆虫ゼリー、転倒防止材を入れれば準備は完了です。
カブトムシのオスとメスを左右の部屋に入れて飼育スタートです。
カブトムシの後食と成熟
カブトムシを飼い始めたら、オスとメスがしっかりと昆虫ゼリーを食べているか確認します。
カブトムシが羽化した後に初めてエサを食べることを「後食(こうしょく)」といい、この「後食」から1〜2週間でカブトムシは成熟すると言われていています。
この成熟前にカブトムシのオスとメスを一緒に飼育してしまうと、交尾が失敗してしまうことがあります。
野生のカブトムシや、購入したカブトムシは、ほとんどが「後食」後の成虫なので、飼育開始直後からゼリーを食べると思います。
念のため食事を確認してからしばらくはオスとメスを別々に飼育して、1週間くらい経過してから中央の仕切り板を外しましょう。
カブトムシの交尾と産卵
仕切り板を外すと、数日でカブトムシが交尾する可能性が高いので、3日〜1週間くらいは仕切りを外しておきます。
1週間経過したら再度仕切り板を入れてオスとメスは別居します。そのまま2匹を一緒にしておくとケンカをしてしまったり、何度も交尾をすると寿命が短くなってしまうらしいので、いきなりの別居は少しかわいそう?ですが仕方ありません。
交尾後数日でメスは産卵のために土に潜ってなかなか出てこなくなります。カブトムシの卵は白くて2mmくらいの大きさなので、土の中を丁寧に探せば見つけることができます。今年は仕切りを外してから11日目に虫かごの端に卵を発見しました。
カブトムシのメスは30個以上の卵を産むと言われていますが、全てが無事に孵化するわけではありません。
さらに孵化したばかりの幼虫はかなり小さいので、潜ってきた成虫に引っ掻かれたり潰されてしまったり、幼虫同士のケンカで死んでしまうこともあるそうです。
うちの飼育環境では、毎年1組のペアから産まれた卵から無事に大きな幼虫まで育ってくれるのは、5匹〜10匹くらいしかいません。
もっとたくさん幼虫を育成したい場合は、卵の段階で別のケースに移してあげると良いらしいです。今年は初めに発見した卵だけ観察用に個別に育成してみることにして、他は例年どおり大きい飼育ケースの中に放置しておきました。
カブトムシの卵の孵化と一令幼虫
カブトムシの卵は2週間くらいで孵化するといわれています。うちで始めに見つけた卵は発見してから12日目に孵化しました。
卵から孵化したばかりの幼虫は一令幼虫と呼ばれて、体長は数mmしかありません。
カブトムシの二令幼虫
一令幼虫はマットを食べて成長していき、1週間くらいで脱皮して二令幼虫になります。
脱皮すると頭の大きさが5mmくらいになって、急に大きくなったように感じます。
カブトムシの幼虫が黒いけど大丈夫?
カブトムシの幼虫は真っ白ですが、観察していると時々黒っぽく変色している幼虫がいます。
小さい時は食べたマットの色で黒っぽく見えることもあるんですが、全体的に真っ黒になって動かなくなった幼虫は残念なが星になっているので土に返してあげしょう。
カブトムシの三令幼虫
孵化から4週間後。二令幼虫は脱皮して三令幼虫になり、頭の大きさも10mmくらいになります。
カブトムシの幼虫は脱皮するたびに頭が大きくなっていくので、頭の大きさで一令、二令、三令を見分けることができます。
カブトムシの成虫の寿命
カブトムシの成虫の寿命は2ヶ月くらいといわれていますが、ここは飼育環境や個体差によってかなり変わってくると思います。
今年はメスが8月19日、オスが9月8に永眠。だいたい平均寿命くらいは頑張ってくれました。
寿命が近づくとだんだんゼリーを食べる量が減っていって、うちの場合は毎年お盆を過ぎる頃に星になっていくことが多いです。
カブトムシの幼虫のマット交換
カブトムシの幼虫は大量のフンをするので、放置しておくとマットがフンだらけになってしまうため、定期的にマット交換が必要になります。
マット交換の頻度
マット交換の頻度はマットの量や飼育している幼虫の数によって変わってきますが、うちは2ヶ月に一回を目安にマット交換をしています。
幼虫の数やケースの大きさによってマット交換の頻度も変わってきますが、表面がフンだらけになっていたら交換してあげましょう。
今年は個別で観察していた幼虫の他に、大きな飼育ケースには7匹の幼虫がいました。
マット交換をする時は、大きなタライなどがあると便利です。
マット交換の方法
幼虫のフンは上のほうに溜まっていくので、全てのマットを交換するのではなく、住み慣れたマットも半分残してあげます。
まず追加する新しいマットを再発酵対策のため開封して風通しの良い場所に1日放置して加湿してから、5cmくらい入れます。
その上に今まで使っていたマットのフンの少ない部分のみを5cmくらい入れて、幼虫を戻してあげれば、住み慣れたマットの中にすぐに潜っていってくれると思います。
フンだらけになってしまったマットでも、アミを使ってフンを取り除いてあげれば再利用できるので、少し手間はかかりますがマット代を節約できます。
マット交換はいつまでやるべきか
カブトムシの幼虫はすごい勢いでマットを食べ続けますが、冬になると動きが銃くなりフンの量も少なくなります。
そして春になると再び活動的になり、5月〜6月頃になると蛹になるための蛹室(ようしつ)を作るので、その前に最後のマット交換を行います。
うちでは毎年4月に最後のマット交換をして、その後はできるだけ静かに見守るようにしています。
カブトムシのオスとメスの判別
三令虫になってある程度成長すると、オスとメスの判別ができるようになります。幼虫のお腹側の下から2節目の上に、への字のような白い模様があればオスです。
また、オスの方がメスよりも大きい傾向があるので、その辺もあわせて観察していけば9割以上の確率で判別できると思います。
カブトムシのサナギの観察用ボトル
カブトムシのサナギを観察したい場合は、最後のマット交換のときに透明ボトルに引っ越しするのがおすすめです。
引っ越しは通常のマット交換と同じで、半分はこれまで飼育していたマットのフンがない部分を入れ、半分は新しいマットを入れます。蛹室を作ることを考えると、マットの深さは最低でも10cmらいは必要です。
この時も霧吹きで加湿しますが、今までよりも狭いスペースになるので、あまり加湿しすぎるとカビが発生してしまうことがあります。
うちではボトルで幼虫を飼育するときも少しマットが湿る程度にしています。
ボトルへ引っ越した後も、マットの表面がカサカサに乾いていたら霧吹きを吹きかける程度で、この年は1、2週間に一回くらいしか加湿していません。
もう一つ注意点として、幼虫が動き回ったときにマットのかさが増えてボトルの上のスペースがなくなってしまうことがあるので、あまりマットを詰め込まないようにします。
幼虫はボトルに引っ越してからも時々マットの上にでてくることがあるので、マットの上には常に3cmくらいのスペースを確保するようにしてあげます。
おすすめの幼虫観察用ボトル
観察用のボトルはベットボトルで自作することもできますが、専用のボトルも販売されています。うちで購入したことがあるのは深さ約18cmの大きいボトルと深さ約13cmの小さいボトルです。
どちらもペットボトルよりもしっかりしていて何年も使えますし、蓋に換気口があったり、開口部が広くて頑丈で扱い安いというメリットもあるので、少しコストはかかりますが数匹だけ観察するのであれば購入しても良いと思います。
2つのボトルの違いは深さと値段です。どちらのボトルも問題なく使えましたが、やはり10cmのマットを入れると小さいボトルでは上のスペースがギリギリになってしまうので、余裕をもって飼育したい場合は値段は少し高くなりますが大きいボトルを選びましょう。
といいつつ、うちではコスト重視で買い足すときは小さいボトルばかり購入していますw
黒い紙でボトルの回りを覆うと、幼虫がサナギになるための蛹室を壁際に作ってくれて、観察しやすいという噂を聞いたので今年から試してみました。
いつも壁際に蛹室を作ってくれることが多いので、正直どのくらい効果があったのかはわかりませんが、今年もしっかりとサナギを観察することができました。小さいボトルのほうがスペースが限定されているので、サナギを観察できる確率が高いと思います。
カブトムシの幼虫がサナギになる瞬間
5月下旬頃になると、ほとんどの幼虫が蛹室をつくりサナギになる準備を始めます。
蛹室の中の幼虫は、身体が茶色っぽく変色して動きも少なくなっていくので、生きているか心配になるのですが、ボトルを揺らしたりせずに静かに見守りましょう。
幼虫がサナギになる時期
サナギになる時期は飼育環境によっても変わってきますが、うちでは6月の上旬になると幼虫は次々脱皮してサナギになります。
急にモゾモゾすることが増えてきて、横腹?に薄っすらと亀裂が入ってくると脱皮が始まる合図です。
残念ながら、今年は1匹だけサナギになれず星になってしまいました。星になった幼虫は徐々に真っ黒に変色していきます。
いつまでもサナギにならずに黒くなってしまった幼虫は、残念ですが土に返してあげましょう。
幼虫がサナギになるのにかかる時間
幼虫がサナギになる時間は10分くらいでした。
なかなかタイミング良く観察するのは難しいですが、脱皮する予兆がみられたら、根気よく見守ってみてください。
トイレットペーパー人工蛹室の作り方
ときどき自分で繭室を作れずにマットの上でサナギになってしまう幼虫もいます。
今年も1匹。やっぱり個別観察していたオスの幼虫はそのままマットの上でサナギになってしまいました。
このままでは羽化するときに失敗してしまう可能性があるので人工蛹室を作ってあげます。人工蛹室といっても簡単で、トイレットペーパーの芯をサナギの大きさより少し長いくらいにカットして縦に固定してあげれば完成です。
サナギを人工蛹室に移すときは、急に触れられたサナギがびっくりしてモゾモゾと動きますが、動揺せずに優しく素早く移します。
カブトムシのサナギが羽化する瞬間
サナギになったカブトムシは3〜4週間で羽化して成虫になると言われています。
これも飼育環境によって変わるので羽化の瞬間を予測するのは難しいですが、やっぱりサナギも幼虫と同じように白っぽい色から徐々に黄色っぽくなり、最終的に脚やツノが黒くなっていきます。
羽化前は少し萎んだように小さくなり、時々モゾモゾと動き出すことが増えていくので、後は根気よく観察するしかありません。
羽化にかかる時間は20分くらいでした。
羽化直後のカブトムシは羽根が真っ白でほとんど動きません。
羽化後数時間で羽根が茶色くなっていきます。
翌日には真っ黒になって見た目は立派なカブトムシですが、数日は蛹室の中でじっとしています。
今年は7匹のサナギを見守りましたが、1匹だけ羽化できずに星になってしまいました。
やっぱりサナギ前後の時期が一番デリケートです。
無事に羽化できた6匹のカブトムシは、1週間くらいするとモゾモゾと動き出してマットの上にでてきます。
マットからでてきたら、大きな飼育ケースに移して昆虫ゼリーをセットしておきます。
初めてエサを食べる後食を確認して、新世代の飼育スタートです。
カブトムシ飼育 まとめ
カブトムシは、幼虫からサナギまではほとんど手をかけなくても育ってくれますし、環境が整っていればサナギもかなり高い確率で羽化してくれると思うので、はじめての方でも比較的簡単に飼育できると思います。
我が家でも、子供たちに喜んでもらおうと思ってカブトムシを飼い始めましたが、幼虫がぐんぐんと大きくなるのを観察たり、一年間見守り続けた幼虫がサナギになって立派なカブトムシに羽化した瞬間は、やっぱりすごく嬉しくて、いつの間にか子供たち以上に大人のほうが夢中になっていました。
幼虫が苦手という方も多いと思いますが、あのゾワゾワ感を家族でギャーギャー騒ぎながら克服していくのも、きっと良い思い出になると思うので、もしカブトムシの飼育に興味があるという方は、ぜひ挑戦してみてください。
以上、我が家のカブトムシ飼育記録の紹介でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。