ピークデザインの三脚Travel Tripod開封レビュー

大好きなPeak Design が三脚を開発したことを知った2019年の夏。迷わずKickstarterで先行注文をしてから待つこと7ヶ月…

やっと届きました!

ピークデザイン三脚の外箱

手に持った瞬間に、その質感だけで「合格!」と叫びたくなるほど魅力的な三脚です。

Peak Desing Travel tripod

まずはファーストインプレッションと製品の特徴、少し気になるネガティブな口コミなどをまとめてみたので、購入を検討している方に参考にしていただければ嬉しいです。

現在Kickstarterは終了しましたが、公式ページで予約注文を受け付けており、2020年3月発売予定となっています。

【YouTube動画もご参照ください】

https://youtu.be/EKr5WbqhRMg
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Peak Design Travel Tripod 開封

製品には以下のものが同梱されていました。

ピークデザイン三脚の同梱品

【仕様】

この三脚にはアルミ製とカーボン製の2種類がありますが、価格と重量以外の仕様は同じです。

 アルミカーボン
国内販売価格39,100円67,000円
重量1.56kg1.29kg
最大撮影高152.4cm152.4cm
段数5段5段
収納高39.4cm39.4cm
収納時直径8.25cm8.25cm
耐荷重9.1kg9.1kg

【ファーストインプレッション】

キュっと凝縮されたアルミとカーボンの塊は、その質量から想像するよりも重く感じます。

ピークデザイン三脚の重さと太さ

直径は手のひらに収まるサイズ。ペットボトル程度の太さで、丸みのある角に指がかかるためかグリップ感が良く、取り回しはかなり軽快です。

ピークデザインの三脚の形

三本の脚は、カーボン特有のつややかな質感で、心地よい手触りです。レバーロックを解除すると、脚がシュルシュルと伸縮します。

ピークデザイン三脚のレバーロック
ピークデザイン三脚の脚の伸縮

脚の先端はゴムの石突きで、オプションでスパイクタイプにも交換できます。

ピークデザイン三脚の石突き

カメラとの接続は独特な形の自由雲台。

ピークデザインの雲台

雲台とセンターポールは分離できるので、センターポールを外して雲台だけ取り付ければ、ローアングル撮影が可能です。

Peakdesingの雲台の取り外し
ローアングル撮影のピークデザイン三脚

センターポールを逆さにしてのローアングル撮影や俯瞰撮影も可能。

超ローアングルのピークデザイン三脚
ピークデザイン三脚の俯瞰撮影

センターポール下部のフックにウエイトをつけることで、三脚を安定させることができます。

ピークデザイン三脚のカウンターフック

フックを外すとスマホ用マウント。使うかな…

ピークデザイン三脚のスマホホルダー
ピークデザインのスマホ三脚

雲台下部とフックにアンカーを取り付けて、ストラップでの携帯も可能です。

ピークデザイン三脚のアンカー取り付け
アンカーリンクスで三脚携帯
三脚とアンカーリンクスとストラップ

今まで三脚をストラップで携帯するという概念がなかったのですが、こればなかなか便利です。アンカーリンクスは様々なストラップに取り付ける事ができるので簡単に導入できるおすすめアイテムです。わたしはキャノンのカメラに同梱されていたストラップを三脚専用に使用しています。

ピークデザイン トラベル三脚の魅力

この三脚の魅力は、①高い携帯性と②セットアップが簡単なことです。

①凝縮されたミニマルデザイン

無駄なスペースを排除するためにデザインされた多角形の脚とセンターポールによって、収納時の直径は約8cm。最大で約152cmの高さまで対応できる三脚としてはかなりスリムです。

雲台の操作は一体化したリングによって行うため、突出したノブがなくてかさばりません。

ピークデザイン雲台のボールヘッド固定

また、一般的な自由雲台は、固定されたソケットの中でボールヘッドが転がり角度を調整しますが、ピークデザインの雲台は上下が逆で、固定されたボールヘッドの上で、ソケットが動きます。

ピークデザイン雲台の特徴
一般的な自由雲台はボールヘッドが上
ピークデザイン雲台とマンフロット雲台の比較
ピークデザインの雲台はボールヘッドが下

ボールヘッドにセンターポールが直に接続することで基台部分がなくなり、収納時には雲台が三脚の中に吸い込まれるように収まります。

必要な機能だけを凝縮したように設計されたコンパクトな三脚なので、カメラリュックのサイドポケットや内部にも収納しやすく、出し入れもスムーズなので、携帯性は抜群です。

私は比較的コンパクトなエンデュランスExtというカメラリュックを使っていますが、サイドポケットにも内部にも問題なく収まりました。

ピークデザイン三脚とエンデュランスExt
ピークデザイン三脚のリュック収納

②セットアップは超高速!?

旅行で三脚を使うときは、撮影に時間をかけられないことが多いので、出来るだけ簡単に三脚を立てて素早く撮影したいですよね。

公式ページによれば、ピークデザインの三脚は9.8秒で簡単にセットアップできそうです。

実際に三脚を立てみると、確かに簡単!

まず脚を伸ばすときは、大きなレバーロックが縦一列に配置されているので、片手でまとめて操作することができます。

また雲台には、アルカスイス互換のクランプが採用されており、カメラに取り付けたプレートをクランプに差し込むようにして雲台に乗せるだけで、カチャっと固定されます。

ピークデザイン雲台のクイックリリース

さらにリングを回してクランプをロック。

ピークデザイン雲台のクランプロック

プレートは付属品以外でも、ピークデザインのキャプチャープレートも使えますし、わたしが使っているアルカスイス互換のSmallrig L型プレートも問題なく使用できました。

ピークデザイン雲台とL型プレート

縦横の切り替えがスムーズでかなり快適!

脚の伸縮とカメラの着脱が簡単なので、素早くセットアップができますし、収納時のコンパクトなデザインによる携帯性の高さからも、まさしく旅行に持ち出すのには最適の三脚です。

ただし、L型プレートなどの長いプレートを使用する場合は、雲台の滑り止め用の2つのピンが干渉する可能性があります。

SmallrigのL型プレート(EOS RP用)は、そのまま取り付けることも可能でしたが、左側のピンが少しだけ干渉していました。

ピークデザイン雲台のピンの干渉

MENGS PU50についていたピンが、高さが低くて取り付け可能だったので、付け替えて使っています。

Mengs PU50の滑り止めピン

ピークデザイン雲台のピンの交換

見た目も一体感があっていい感じ。後述しますが、MENGSのプレートとピークデザインのクランプは相性が悪かったのですが、このピンが予想外に活躍してくて助かりました。

ピークデザインの三脚の口コミや評判

Peak Design は三脚の発表と同時に、海外の有名なYouTuberにプリプロダクションサンプルを提供していたので、かなり早い段階から、たくさんのレビュー動画を観ることができました。

また、公式サイトにはキックスターターを利用して購入した方のレビューが掲載されています。

その中には、ネガティブな口コミもあったので、個人的に気になったものをいくつか紹介します。

センターポールを伸ばさないと雲台操作ができない。

センターポールを収納した状態だと、雲台下部が三脚の中に収まって動かすことができません。

ピークデザイン雲台のデメリット

三脚と一体化した特殊な雲台は、収納時は携帯性が高いというメリットがある反面で、使用時は必ずセンターポールを伸ばさなければいけないという制約があります。

安定性を確保するために細いセンターポールを伸ばしたくないケースもあると思うのですが、そういった使い方ができないのは残念です。

パン機能がない

自由雲台には、ソケット部分に回旋する関節が追加されてパン操作ができる製品があります。

カメラの角度を固定した状態で左右に首を振ることができるので、動画も撮りたい時に便利。

ピークデザインの雲台は構造的に難しいのかもしれませんが、搭載されていればさらに用途が広がったのではないかと感じました。

センターポールのロックが緩い?

センターポールのロックの調整が難しく、固定しても上から力を加えると、押し下がってしまうという動画がありました。

少し不安になる内容ですが、実際に製品が届いてから確認してみると、しっかりと固定されていて押し下がることはありまん。

ピークデザイン三脚のセンターポールは滑らない

これは、カーボン三脚のセンターポールがカーボンからアルミに変更されたからかもしれません。

製品の発表当初、カーボン三脚はセンターポールにもカーボンが使われていましたが、製品の発送が開始される直前の昨年11月に、センターポールをアルミに変更するという発表がありました。

変更の理由をまとめると、センターポールをカーボンからアルミに変更することで、ねじり剛性が25%改善して、垂直方向への滑りが防止されるそうです。デメリットは16g重くなること。

この垂直方向への滑りが防止されたことによって、センターポールのロックがより確実になったのではないでしょうか。

専用プレート着脱に六角レンチが必要

多くのYouTuberが指摘していたのが、同梱されたプレートの着脱に六角レンチが必要なこと。

ピークデザイン三脚付属の標準プレート

常に六角レンチを携帯するのは面倒ですし、脚に収納場所がありますが、確実に固定されていないので紛失する可能性もあります。

ピークデザイン三脚の六角レンチ収納

コインで着脱できる横溝や、手でも着脱できるDリングがあると便利なのですが、付属のプレートネジは六角レンチでしか着脱ができません。

ピークデザインにDリングネジ

ピークデザインがDリングを採用しない理由として、十分な剛性を確保できないという理由がサポートページに掲載されていましたが、六角穴とDリングが両方あるタイプなら、融通がきくと思うのですが…

クランプのレバーロックは誤操作注意

「超高速クイックリリース」を実現した雲台のクランプですが、簡単だからこその注意点も。

クランプのレバーロックは軽く押すだけで簡単に解除できるので、大きなレンズをつけている場合などは、カメラを外すときにしっかりと機材をホールドしておかないと、前方に倒れ落ちそうになります。

ピークデザイン三脚のレバーロックの操作ミス

また、意図しない場合でもレバーに触れてしまってカメラが落下してしまう可能性があるので、リングロックは必ずかけるように心がけたほうがよさそうです。

脚のレバーロックの耐久性が心配

三脚の脚のロックにはくるくると回すナット式とワンタッチで操作できるレバー式がありますが、レバー式は操作が簡単というメリットの反面で、ゴミの混入や緩みなどによってメンテナンスが必要になったり、壊れやすいというデメリットがあります。

Peak Design の三脚も大きなレバーロックが採用されているので、耐久性は少し不安…

ただ、Peak Design は製品の「生涯保証」を提供しており、この三脚についても全ての部品が洗浄、交換、修理ができるそうなので、故障しても使えなくなることは無さそうです。

自由雲台が自由じゃない

ボールヘッドの上を自由に動きまわる雲台だと思っていたのですが、特殊なソケットの一部がセンターポールに干渉して縦構図での撮影時に、角度が制限されてしまうことがあります。

ピークデザイン三脚の可動範囲
縦構図での可動範囲のイメージ。黒い部分が死角になります。

カメラを180°反転させれば調整できるのですが、僅かな死角があります。

ピークデザイン雲台の可動範囲
カメラを180°反転させたときの死角のイメージ

ピークデザイン雲台の死角
雲台だけでは調整できない角度のイメージ

真上や真下に向けることができないので、俯瞰撮影ではプレートの取り付け角度を変えて調整しましたが、雲台だけで調整できないのは面倒です。

ピークデザイン三脚は真上と真下を向かない
センターポールとレンズの光軸が一致しない

プレートの取り付け角度を変えれば調整は可能

クランプとプレートには相性がある

この三脚のアルカスイス互換のクランプには、相性の悪いプレートがあります。

例えば、Mengs PU50を取り付けると、底部に僅かに隙間があいてしまいます。

ピークデザイン三脚のクランプとMengsクランプの相性

クランプの爪の上部が、プレートの返し部分に干渉してしまうようです。

これでは、広い面積でホールドして安定感を増すアルカスイス互換の利点が損なわれてしまうので、純正プレート以外を使用するときは、しっかりと適合するかを確認したほうが良さそうです。

ちなみに、Smallrig L型プレート(EOS RP用)は、しっかりと密着して取り付けが可能でした。

ピークデザイン雲台とスモールリグのL型プレート

また標準プレートを使うときも、カメラとレンズの組み合わせによっては気をつけることがあります。

EOS RPとRF24-105mm F4のように、小さなカメラと大きなレンズの組み合わせでは、プレートを前方に取り付けていると、レンズとクランプ前部が干渉してしまいます。

ピークデザイン雲台の干渉

プレートを中央か後方よりに取り付ければ問題なく使えます。

ピークデザイン雲台と純正プレートの隙間

上の写真では、レンズの重さからか標準プレート後方の底部がしっかりと密着していませんが、クランプロックをかけると改善します。

やはり、クランプロックはしっかりとかけたほうが良さそうですね。

ただ、ロックを強く締め過ぎると、今度は前方が浮いてしまい、密着度はSmallrigのL型プレートのほうが良かったです。純正プレートなのに…

専用ソフトケースが小さい

耐候性があり、アンカーを使えばストラップもつけられるという、なかなかのクオリティの専用ソフトケースなのですが、「小さ過ぎて三脚をソフトケースに戻せない」というレビューが何件かありました。

ピークデザイン三脚のソフトケースがきつい

キックスターターのコメント欄では、ピークデザインのスタッフが収納のコツをレクチャーしていましたが、脚や雲台をしっかりと収納して、角度に気を付ければ、少し窮屈ですがなんとか収まります。

安定性が不安

ピークデザインの三脚は、コンパクトなサイズを実現した代償として、三脚としての安定性を不安視する意見もあります。

実際に製品を手にしてみると、三脚の安定性に大きく影響する、先端部の脚とセンターポールがかなり細く、確かに頼りない印象。

ピークデザイン三脚の脚とセンターポールの細さ
先端の脚は小指くらい。センターポールは親指くらいの感覚です。

そこで実際に、ブレが発生しやすい状況での撮影を行ってみました。

ピークデザイン三脚の安定性

足場の悪い海岸で、あえて先端部の脚とセンターポールを最大まで伸ばし、フックにも重りを付けずに撮影しました。

穏やかな天候でしたが、冬の日本海なのである程度の風があり、漂流してきたビニールテープをフックに付けると、バタバタと揺れていました。

ピークデザイン三脚のブレ検証

通常のシャッタースピードで撮影した写真がこちら

SS 1/50秒 F 18 ISO 100

続いて、シャッタースピードだけを30秒にするために、ND1000と可変NDを使って撮影した写真がこちら

可変NDとND1000

SS 30秒 F 18 ISO 100

ウェブ用に圧縮リサイズされているのでわかりづらいかもしれませんが、予想に反して、大きなブレは見られませんでした。

左側:SS 1/50の拡大  右側:SS 30秒の拡大

今回の撮影だけでは判断できませんが、この状況でこれだけブレが無ければ、旅行用の三脚としては十分だというのが私の感想です。

アルミとカーボン どっちを買うべき?

三脚を購入するときに悩むのが、アルミ製とカーボン製のどちらにするべきか。

わたしもかなり悩みました。

三脚は「悩んだらカーボン」とよく聞きますが、Peak Design の三脚もそうなのでしょうか。

アルミ三脚とカーボン三脚の違い

アルミカーボン
重い軽い
価格が安い価格が高い
 振動を吸収しやすい
 熱伝導率が低い

素材としてはカーボンのほうが振動減衰性が高くブレに強いと言われますが、アルミは重量が重いぶん安定感があります。

熱伝導率についても、カーボンのほうが寒い時に冷たくならないと言われますが、使用状況が限定的なので個人的には気になりません。

アルミ三脚とカーボン三脚の大きな違いは、価格と重さです。

Peak Design の三脚で比べると、270gという重さの違いに27,900円という価値を感じるかどうか。

旅行三脚だから少しでも軽いほうが良いという考えかたもありますが、旅行三脚だからこそコンパクトで質量が少ないぶん、カーボン素材の軽さのメリットも少ないという見方もできます。

デザインや質感の好みもあると思いますが、わたしが今、この三脚を購入するとしたら、

間違いなくアルミ製です!

今回は、Kickstarterを利用しての割引きもあったのでカーボンを購入しましたが、通常価格での購入では価格差がかなり大きく、機能と価格のバランスを考えると、アルミ三脚のほうが適正だと感じました。

ピークデザイン トラベル三脚 まとめ

Peak Design Travel Tripod のデザインは完璧で、手に持つだけで満足できる魅力的な三脚です。

細い脚やセンターポールなどから想定していたよりは安定感が高く、旅行用の三脚としては十分です。

自由雲台に関しては、三脚と一体化したデザインや、着脱が簡単なクランプなどは気に入っていますが、細かい操作性や仕様に関しては、まだ改善の余地があるように感じました。

PeakDesignの三脚は完璧ではありませんが、いつもユーザーの声に耳を傾けて、新しい製品を開発してくるメーカーなので、この三脚をベースにして、さらに進化したバージョンを今後も開発してくれることに期待しています。

また、雲台は交換もできるので、細かく調整ができる3way雲台や、滑らかな動きのビデオ雲台などが、統一されたデザインで開発されたら、さらにこの三脚の魅力が高まりそうです。

以上、Peak Design Travel Tripodの紹介でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 
この記事を書いた人
Hanka

ガジェット紹介や、趣味の写真の話、子育て日記や、日常雑記などを書いています。

ツイッターインスタYouTubeも利用しているので、そちらでもコメントやメッセージなどをいただけると嬉しいです。

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はんかのあゆみ
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