ビデオカメラの売り上げランキングで常に上位を占領するソニーとパナソニック。その人気の理由は画質です。
動画の画質に直結するセンサーとレンズの性能が非常に高く、さらに強力な手ぶれ補正機能とオートフォーカス機能により、他社の追随を許さない圧倒的な高画質を実現しています。
画質を求めてビデオカメラを選ぶのであれば、ソニーかパナソニックのどちらかを選べば間違いありません…が、
じゃあどっちの方が良いの?
と悩む方も多いのではないでしょうか。
我が家でも、10年間使用したソニーのハンディカム(CX520V)が故障したので、新しいビデオカメラを購入する事になり、4K動画の撮影ができるソニーのAX45とパナソニックのVX2Mの両機種を徹底的に比較してかなり悩みました。
結論からいうと、撮影時の操作が簡単なのがソニーで、撮影後の編集が簡単なのがパナソニックという解釈に至り、撮影時の使い勝手を優先するために、ソニーのAX45を購入しました。
今回は、ソニーユーザーの私からみた、パナソニックのビデオカメラの魅力と、それでもやっぱりソニーのビデオカメラを選んだ理由についてまとめてみます。
カタログではわかりづらい、画質以外の使い勝手に関する内容がほとんどなので、個人的な見解を多分に含みます。
用途や好みによっても変わってくる内容なので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。
ビデオカメラは必要?
数年前は、動画といえばビデオカメラで撮影するイメージがありましたが、最近ではいろいろな機材で動画を撮る事ができます。
一眼レフカメラがあれば、より高品質な映像を撮影できますし、Goproなどのアクションカメラで臨場感溢れる映像を撮影したり、スマホでも気軽に高解像度の動画を撮る事ができます。
じゃあビデオカメラはもう必要ないんじゃないの
そんな事はありません!
まだまだビデオカメラじゃないと上手く撮れないシーンはたくさんあります。
例えば子どもの運動会や発表会です。
運動会や発表会はビデオカメラが最適
①高画質・高倍率の光学ズーム
運動会や発表会では、観客席などのあまり身動きが取れない状況で撮影する事がほとんどです。
主役に近づけないので、ズームで拡大する必要がありますが、スマホやアクションカメラのデジタルズームでは画質が低下しますし、距離にも限界があります。
ビデオカメラの光学ズームは、かなり遠くに離れた被写体でも、高画質のまま大きくズームアップして撮影できるので圧倒的に有利です。
②操作が簡単で誰でも使える
一眼レフやミラーレスカメラも光学ズームで綺麗な映像を撮影する事ができますが、レンズを操作して焦点距離を変えるので、動画撮影時の滑らかなズーミングは難しく感じる事があります。
また、センサーサイズの大きいカメラで高品質な動画を撮影するためには、明るさやピント設定など、ある程度の知識と技術が必要です。
やはりカメラは写真を撮るために設計された道具なので、動画を撮る時の操作性に関してはビデオカメラの方が有利です。
ビデオカメラは、シンプルな操作で誰でも簡単に撮影できるので、運動会では、家族で交代で動画撮影をしながら、競技に参加したり写真を撮ったりといった役割分担もしやすくなります。
ソニーのビデオカメラの魅力
私がパナソニックではなくソニーのビデオカメラを選んだのは、動画撮影時の操作性の良さです。
リモコン三脚(VCT-VPR1)が便利
いきなりビデオカメラ本体とは関係のない要素なのですが、ソニーのビデオカメラには、別売りで、リモコン付きのビデオ三脚があります。
我が家では、前モデルのVCT-60AVから10年以上ソニーのリモコン三脚を使っているのですが、これ本当に使い勝手が良くておすすめです!
残念ながら、パナソニックのビデオカメラには同様の商品がありません。スマホアプリをリモコン代わりに使う事もできますが、操作性やレスポンスに関してはリモコン三脚にはかないません。
もうこれだけの理由でパナソニックを諦めたと言っても過言ではない程、ソニーのリモコン三脚の使い勝手が良いのです。
リモコン三脚(VCT-VPR1)の機能
リモコン三脚で出来る操作がこちら
①電源ボタン:電源のON/OFF
②静止画ボタン:写真撮影
③録画ボタン:録画開始/停止
④ズームボタン:ズームアップ/ズームダウン
⑤グリッドライン:グリッド線表示ON/OFF
⑥ズーム切り替え:ズーム速度切り替え
全てビデオカメラ本体でもできる操作ですが、三脚に固定した本体でこれらの操作をしようとすると、意外と手間取って撮影に集中できなかったり、不用意に本体に触れる事でブレや傾きの原因になることもあります。
リモコン三脚を使えば、基本的な撮影は全て、本体に触れずに直感的に操作する事ができます。
さらにビデオ雲台の操作バーとしての機能もあるので、上下、左右方向へカメラの向きを変えながら、滑らかなズーミングも可能です。
子どもの運動会や発表会では、三脚を使用して撮影する事が多いので、リモコン三脚を使う事で、ブレや傾きなどの失敗が少なくなり、滑らかなカメラワークで質の高い映像を、誰でも簡単に撮影する事ができます。
液晶操作が簡単
液晶の操作性に関しても、パナソニックよりソニーの方が使い勝手が良いと感じます。
タッチ操作のレスポンスが良い
液晶画面をタッチした時の反応がソニーの方が良く、パナソニックはタッチしてからの表示の切り替わりがワンテンポ遅く、反応せずに何度か押し直す事もありました。
この辺は個人の感覚もあるので、店頭で操作を体験できる店舗があれば、実際に触ってみて確認したほうがわかりやすいと思います。
メニューの設定や変更が簡単
もともとソニーユーザーなので慣れの問題もあるかもしれませんが、メニューの選択や変更もソニーの方が簡単です。
例えば記録方式をHDから4Kに変える操作では、
ソニーの場合は
①画面左の記録方式をタッチ
②XAVCS 4Kをタッチ
③OKをタッチ
と、たったの3タッチで完結します。
パナソニックの場合は
①回転メニューバーをタッチ
②メニューをタッチ
③撮影設定をタッチ
④記録方式をタッチ
⑤4K MP4をタッチ
と、パナソニックの方がメニューの階層が深く、タッチ操作の回数も多くなります。
さらにタッチ操作のレスポンスの悪さも加わるので、実際に操作してみると結構わずらわしく感じました。
パナソニックのビデオカメラの魅力
ソニーよりもパナソニックのビデオカメラに魅力を感じたのは、動画編集が簡単なことです。
MP4が使いやすい
パナソニックのビデオカメラの動画記録方式は、撮影時の設定で4K動画は4KMP4、HD動画はMP4とAVCHDを選択できます。
さらに撮影後に、本体内で4KMP4やAVCHDの動画を、FHD以下のMP4に変換する事もできます。
これが凄くうらやましい!
MP4は様々なデバイスに対応した便利なファイル形式なので、例えば Wi-Fi転送でiPhoneに保存しておけば、いつでも手軽に編集したり、家族や友人にシェアするのもスムーズです。
それに対してソニーのAX45は、AVCHDかXAVCSを選択できますが、AVCHDとXAVCSはWi-Fi転送やカードリーダーで直接iPhoneに保存する事ができません。
そのため、iPhoneで動画を編集するためには、わざわざパソコンを使った作業が必要になります。
ソニーは同時記録という形でMP4を記録できますが、ファイルサイズが小さく撮影時の設定にも制限があります。
今まで10年以上ソニーのビデオカメラを使っていて、iPhoneに直接保存できない事が、唯一の残念ポイントでした。
ー 追記 ー
記録方式の違いがわかりづらく感じたので、別の記事にまとめてみました。
後から補正
後から補正では、4Kで撮影した映像から必要な部分を切り出す事で、フレーミングを変えたりズーミングしたり、被写体を追従したりと、もうやりたい放題編集できます。
こういった編集をしてもフルHD画質を維持できるのも、4K動画の魅力のひとつですね。
ソニーのビデオカメラで撮影した4K動画も、パソコンの動画編集ソフトを使えば同じような事ができますが、パナソニックはビデオカメラ本体でこの作業ができてしまうのです。
実際の編集作業を体験していないので確かなことは言えませんが、本体とスマホの作業だけで様々な編集ができるところに、パナソニックのビデオカメラの魅力を感じます。
ビデオカメラ選び まとめ
今回、撮影時の操作性がよいソニーのビデオカメラを選んだ理由は、誰でも簡単に撮影が出来ることを優先したからです。
家族行事などでは、役割分担をしてビデオ撮影をする事も多いので、できるだけ簡単な操作で撮影できた方が失敗は少なくなります。
パナソニックのビデオカメラは撮影後の編集は楽かもしれませんが、撮影時に失敗してしまった動画は編集ではどうする事もできません。
撮影後の編集は、いくらでもやり直しができる作業なので、多少の手間なら我慢できます。
ソニーもパナソニックも、どちらも高性能なビデオカメラなので、どちらの機種を購入するかは、使う人の用途によって変わってきます。
今回も、もしパナソニックのビデオカメラにリモコン三脚が使えていたら、パナソニックのビデオカメラを購入していたと思います。
最近のビデオカメラには様々な機能がありますが、まずは撮影用途や編集環境などをしっかりと考えてみることて、必要な機能や最適な製品がみえてくるのではないでしょうか。