今回のテーマは 構図 です。
子供の写真を撮る時の構図について、私が意識している3つのポイントについて紹介します。
構図とは
構図とは、写真の画面全体の構成です。
写真では構図がとても重要と言われています。
ただ、自由に動き回る子供の写真を撮る時は、構図を意識してあれこれ考えているうちにシャッターチャンスを逃してしまう事があります。
あまり難しく考えずに、自分のなかで写真を撮る時の心構えのようなポイントをいくつか決めて、それを無意識に実践できるようにしていくと、シャッターチャンスにも集中できます。
私が意識しているのは、
①日の丸 ②引き算 ③水平
この3つだけであれば、あまり考えずにちょっと意識するだけで実践できると思います。
日の丸構図の勧め
日の丸構図とは、日本の国旗のように主役を画面の中心に置く構図です。
構図にはいろいろな種類がありますが、一番シンプルな構図として一番始めに紹介されることが多く、そのため初心者向けの構図という印象をもつ方もいます。
でも実は、世界的に有名な写真にも、日の丸構図の作品はたくさんあります。
私もこれまでに撮った写真を振り返ってみると、ど真ん中に最高の笑顔の瞬間を撮った日の丸構図のお気に入り写真がたくさんあります。
日の丸構図のメリット
写真の主題がわかりやすい
どんな写真を良い写真と感じるかは、人それぞれ違うかもしれませんが、写真の主題が見た瞬間に伝わる写真は、インパクトがあって多くの人の心に響きます。
日の丸構図は、一瞬で見た人に主題を伝えることができます。
写真の真ん中に主役を配置することで、誰もが主役に視線を向け、その写真が何を写した写真なのかが伝わります。
子供の成長記録では、子供という明確な主役がいるので、その主役を中心に配置することで、主題が伝わりやすい構図になります。
画質に有利
カメラのレンズは、中央部分が最も解像度が高く、歪みなども少ない構造になっています。
壁に貼った2枚のでチェックシートを比較してみます。
日の丸構図は、レンズの一番性能のいいところで主役を写す事ができます。
高性能なレンズは、周辺まで解像度が高く歪みも少なく設計されていますが、そのために大きく重く高額になっています。
風景写真などでは、画面全体の画質が大切かもしれませんが、人物写真では主役がしっかりと写っている事が大切なので、安価なキットレンズでも、日の丸構図でレンズの中央を使うことで充分な画質を得ることができます。
ピントが合わせやすい
これはカメラにもよりますが、一眼レフカメラでは中央のオートフォーカスポイントの性能が高くなっています。
オートフォーカスのスピードや精度が高く、暗い場所ても中央のAFポイントだけは焦点を合わせることができる場合があります。
日の丸構図のデメリット
とにかくお勧めの日の丸構図ですが、あえてデメリットをあげるとすれば、シンプルな構図のために単調で同じような写真が増えてしまう事です。
ただ、子供の写真の場合は、同じ日の丸構図であっても表情は日々変わっていきますし、以外と同じ構図の方が、成長していく様子がわかって楽しいこともあります。
もし、お気に入りのオモチャやバースデーケーキなどの脇役を一緒に写したい時は、日の丸構図を基準にして、左右上下に少し主役を動かしてて 3分割法 などでアレンジしていきます。
あくまで主役を中心とした日の丸構図からの調整くらいの感覚で他の構図を使い分けていくと簡単に考えることができます。
引き算の美学
日本の文化やデザインの領域で
「引き算の美学」
という言葉が使われる事があります。
これは、余計な物を取り除く事で物事の本質を美しく表現することです。
写真でも同じように、余計なものを写さないようにする事で、主題が強調されます。
子供の成長記録などの日常写真を撮る時は、主題のみを写す事が難しい事もありますが、アングルを変えたり背景をボカしたりして、できるだけ主役を強調するように心がけます。
例えば「お気に入りのオモチャで遊ぶ子供」を写そうとします。
「散らかった部屋」が主題であればこれでもよいのですが、主役は子供なので、不要な物が写らないようにアングルとポジションを変えてみます。
背景がすっきりすることで、主題が一目で伝わります。
もし「お気に入りのオモチャ」が主題なら、もっと寄ってみます。
極端な例ですが、何を写したいのかを明確ににして、それ以外の物を除いていくことで、主役が引き立つのがわかると思います。
水平と垂直
風景の地平線や、垂直な建造物が傾いている写真は違和感を感じてしまう事があります。
あえて傾けた表現をしたい場合以外は、できる限り水平、垂直を正確に保つように意識して写真を撮るように心がけます。
カメラによっては水平器をファインダーや液晶に表示できるので、常に表示して確認しながら撮ることで、自然に水平を保つカメラの持ち方が身についていきます。
ただ、日常スナップでは、風景写真のように完璧に水平・垂直を保つ事を優先すると、シャッターチャンスを逃してしまう事もあります。
常に意識はしながら、シャッターチャンスを優先して、多少の傾きは後から補正するという考えでも良いと思います。
傾き補正やトリミングをする場合は、元の写真よりも写る範囲が少なくなり画素数も減るため、極端な補正は避けましょう。
この写真のように被写体が端に寄った状態で傾き補正をすると、
このように、フレーム内に被写体が収まらない可能性もあります。
構図の話まとめ
子供の写真の構図では、
①日の丸構図
②引き算の美学
③水平と垂直
を意識するだけで、写真の印象が変わります。
構図の話としては、日の丸構図しか紹介していないので、記事タイトルとは主旨が少し変わってしまったかも知れませんが、私は構図は考え過ぎない事も大切だと思っています。
子供は自由に動きまわります。
自分の思い描く構図に当てはめようとして、子供の楽しい時間を奪ってしまう事のないように、最低限の心がけをしながら、シャッターチャンスを優先した方が楽しく写真が撮れると思います。