前回のブログで、ピークデザインのリニューアルされたカメラバッグ、エブリデイスリング10L V2の特徴や魅力について紹介しました。
公式ページによれば、ニューバージョンのスリングバッグは、何千人もの顧客からのフィードバックを基に、美しく機能的な製品にアップデートされていると紹介されています。
わたしは旧型のV1も2年以上使っているので、V1も十分に美しく機能的だよ…
と思っていましたが、実際にV2を購入して使ってみると、様々な変更点や改善点がみられ、しっかりとバージョンアップされています!
そこで今回は、V1とV2の違いについてまとめてみたので、V1からのバージョンアップを検討している方に参考にしていただければと思います。
V2の使用期間が短いので、現状で気付いたことを掲載していますが、これからも新たな発見があれば追記していきたいと思います。
【YouTube動画 もご参照ください】
V1とV2の違い①外観
V2はV1よりも少しだけ大きくなっています。
公式ページ掲載されたサイズをみると、幅が20mm、高さが10mm大きくなっていますね。
V1外寸 | 横幅400mm×高さ245mm×奥行140mm |
V2外寸 | 横幅420mm×高さ255mm×奥行140mm |
重さは、公式ページによればどちらも680gですが、実測ではV1が692gで、V2が647gでした。
外観デザインは、かなり変更されています。
いかがですか?
正直わたしはV1のデザインが好き。
V2の進化を紹介する予定が、いきなり矛盾して申し訳ないのですが、こればかりは好みです。
私見ですが、V1のデザインは、個性的で存在感があり、まさにPeak Designといった感じ。
対して、初めてV2をみたときの率直な感想は、
なんか普通…
エブリデイスリング5LのV1をそのまま大きくしたような外観で、形はどちらかいうとメッセンジャーバックに近づいた印象です。
V1のチャコールカラーも質感が良く気に入っていたので、V2では選択できないのも残念。
ただ実際にV2を使ってみると、今回の外観の変化は、カメラバッグとしての機能をより高めるために必要な更新であったことがよくわかります。
また、ビジネスバックのようなイメージに近づいたこともあって、通勤などで使うときは、V2のほうが持ち出しやすくなりました。
V1とV2の違い②止水ファスナー
V2を使ってみて、最初に大きな変化を感じたのが止水ファスナーです。
まずV2はデュアルファスナーになっているので、左右どちらからでも開閉ができます。
使用状況や、利き手の違いなどによって、開閉方向を選べるのは便利ですね。
それ以上に変化を感じたのが、止水ファスナーの動きの滑らかさです。
止水ファスナーは、浸水を防ぐという性質上、どうしてもも普通のファスナーに比べると動きが硬くなってしまいます。
実際にV1のファスナーもそこそこ固かったので、開閉時は片手でバックを押さえながら、もう片方の手でファスナーを開閉していました。
それに比べて、V1のファスナーの動きはかなり滑らかで、片手ても簡単に開閉できます。
この「片手ても」というは、状況によっては作業効率が2倍になるので、かなり大きな進化です。
公式ページでは、止水ファスナーは耐久性が向上したと書いてあるだけですが、明らかに動きも滑らかです。
そして、バッグの形状の変化も、ファスナーの操作性の改善に影響を与えています。
V1は横方向に開閉するのに対して、V2は縦方向に開閉するため、機材の重さがバッグを固定してくれるような状態になって、片手でもスムーズな開閉ができるのです。
V1とV2の違い③接続バックル
バッグとショルダーストラップを接続するバックルがV2は折り返しが多くなってます。
個人的にはかなり嬉しい変更で、これだけでもV2を購入して良かったと思えるポイントです。
これまでV1を使っていて、ある程度重い機材を入れていると、少しずつバックルが緩んでしまうことがありました。
エブリデイスリング5L V1のバックルも折り返しが1回なので緩むことがありましたが、5Lにはロックキットが同梱されているので、それを使えばバックルが緩むことはありません。
10L V1にはこのキットがないため、定期的に緩みを確認する必要があります。
V2の新しいバックルは、折り返しが一段増えたことで緩む心配がなさそうなので、安心して大切な機材を持ち運ぶことができます。
取り付ける手間は少し増えますが、この部分は頻回に調整することはないので苦になりません。
V1とV2の違い④メイン収納
メイン収納のサイズにも少し違いがあります。
V1内寸 | 横幅305mm×高さ210mm×奥行127mm |
V2内寸 | 横幅315mm×高さ250mm×奥行102mm |
公式ページのV1の奥行内寸は60mmとなっており誤表記かと思われます。127mmは日本代理店銀一の製品ページ掲載の数値です。
横幅内寸はV2が10mm大きくなっています。
実際に全長約195mmのEOS RPとRF24-105mmの組み合わせを収納して比較してみると、V2のほうが明らかに余裕があり、その差は10mm以上あるように感じます。
これは、バッグの形状がV1は逆台形なのに対して、V2は四角形に近いために、底部の横幅に大きな違いができているためです。
収納する機材の形にもよりますが、横方向の収納力に関しては、V2のほうが有利に感じます。
高さ内寸は、V2が40mm大きくなっています。
全長約195mmのEOS RPとRF24-105mmの組み合わせを収納してみると、V1はギリギリですがV2のほうは50mm以上余裕があります。
ただ、V2は上部の開口部付近がかなり狭くなっているので、無理なく収まる高さはV1と同じで、だいたい210mmくらいまでと感じました。
奥行内寸はV2が25mm小さくなっています。
縦幅が約100mmとなるLブラケットを装着したEOS RPを収納してみると、V1は少しゆとりがあって、V2はぴったりといった印象です。
大きめの一眼レフの場合は、V2は少し窮屈に感じるかもしれません。
V1とV2の違い⑤底部の形
V2は底部がフラットに近づいたことで、テーブルや地面に立てて置くことができます。
V1は底部が斜めなので立てて置くことができず、バッグ背面を下にして置いていました。
もちろんV1も完全に安定しているわけではありませんが、ちょっとした作業のときなどに、床や地面に立てて置けるのは、地味に嬉しい変更です。
V1とV2の違い⑥ポケット収納
V1とV2には、開口部裏の小物収納にはポケットが4個ついていますが、V1は両サイドのポケットが大きくなっているのに対して、V2は4個とも同じサイズになっています。
【V1のポケット】
【V2のポケット】
何を入れるかにもよると思いますが、わたしはV1の大きなポケットに丁度収まるものがなかったこで、V2の4個のポケットのほうが予備バッテリーの収まりが良くて使い勝手が良いです。
また、V2の4個のポケットの両サイドには、小さなポケットが隠れていました。
これは、ポケットサイズを均等にするためにできたスペースなのかもしれませんが(公式ページもポケットは4個と掲載)、小さなSDカードケースならギリギリ入るので、意外と使えそうです。
V1とV2の違い⑦PCタブレット収納
PCタブレット収納部には2つの変更があります。
①サイズ
公式ページに掲載された収納内寸をみると、V2のほうが少しだけ小さくなっています。
【PCタブレット収納サイズ】
V1:横幅314mm×高さ219mm×奥行18mm
V2:横幅304mm×高さ212mm×奥行15mm
ただ、V2は収納部の上のスペースがV1よりも広いので、上にはみ出した状態であれば高さに関しては数cmのゆとりがあります。
この数cmの違いによって、V1では収まらなかったA4ファイルもギリギリ収まります。
使用頻度の多いA4サイズが収まることで、日常使いのカバンとしての使い勝手も良くなりますね。
ただ、機材を詰め込んだ状態だとスペースが圧迫されるので、厚みのないものに限定されます。
②固定ベルトがマグネット式に変更
収納部入り口のロックが、V1はベルクロでしたが、V2はマグネットに変更されています。
【V1はベルクロロック】
【V2はマグネットロック】
個人的にはこの収納部の入り口を固定する必要性をあまり感ないのですが、ベルクロがなくなって見た目がスッキリしました。
V1とV2の違い⑧前面収納
V1の前面収納はベルトを緩めて拡張できるタイプでしたが、V2では前面全体が薄い収納ポケットのようになっています。
【V1の前面収納】
【V2の前面収納】
収納力はV1のほうがありましたが、V1の収納は拡張すると少し見た目が残念になるので、わたしはV2の前面収納のほうがデザイン的にもすっきりとしていて好きです。
そして意外といろいろ入ります。
開口部が狭く、止水ジッパーの上に上部の表面素材がかぶさるような形状なので、浸水などの心配は低そうですが、頻回に出し入れするのは少し手間なので、使用頻度の少ないアイテムの収納に向いていそうです。
V1とV2の違い⑨外部収納
V1ではバッグに固定されたストラップを使って三脚などを取り付けることができましたが、V2では取り外し可能なストラップを使った外部キャリーシステムに変更されています。
【V1の外部収納】
【V2の外部収納】
バッグの両サイドと底面に合計6か所のキャリーストラップのフックを固定する場所があります。
ストラップのフックは返しがついているため、カッチリと固定されて外れる心配は少なそう。
外部キャリーシステムを使わないときはストラップを外しておけるのですが、失くしてしまわないように管理する必要がありますね。
V2を使って気になったこと
まだV2の使用期間は短いのですが、使ってみて個人的に少し気になったところもあります。
機材の出し入れはV1のほうがスムーズ
V2のメイン収納の開口部には返しがあり、機材の出し入れで少し引っかかることがあります。
機材を少し斜めにして出し入れすれば引っかかからないので、慣れの問題かもしれませんが、V1は開口部がほぼ全開になるので、引っかかりもなく機材の出し入れがスムーズです。
V2は開口部の形状が変っているので、強度を維持するためにこのような返しが必要なのかもしれませんが、せっかく止水ファスナーの進化によって開閉がスムーズになったのに、機材の取り出しで引っかかってしまうのは少し気になります。
また、奥行内寸がV1に比べてV2は少し狭くなっているので、高さのあるカメラの場合は、もう少し引っかかりが気になるかもしれません。
外部キャリーシステムはやっぱり面倒
今回のリニューアルで導入された取り外し式のキャリーストラップは、使用しない場合は外しておけますし、ストラップの調整機能や固定力はV1よりは改善したように感じます。
ただ、着脱に手間がかかるので、個人的にはあまり使わなくなってしまう予感…
三脚を携帯するために使うケースが多くなると思いますが、できれば、ピークデザインのキャプチャーのようにカチャっとワンタッチで着脱ができるようシステムがあれば最高ですね。
V1からV2に買い替えるメリットはある?
エブリデイスリング10L V2はカメラバッグとしての使い勝手は確実に良くなっているので、V1から買い替える価値は十分にあると思います。
個人的には安心設計の取り付けバックルと止水ファスナーの進化がかなり大きなポイント。
ただ、デザイン的には好みが分かれるところだと思いますし、わたしはV1の個性的な形や色が好きなので、服装によって使い分けたりしながら両方のバッグを使っていきたいと思います。
以上、ピークデザインのエブリデイスリング10LのV1とV2の違いについてでした。最後まで読んでいただきありがとうございました。