こんにちは、はんか です。
今回はキヤノンのRF100mm F2.8 L MACRO IS USMのファーストインプレッションをお伝えしたいと思います。
まずはレンズの外観や細かい仕様を確認してから、このレンズの一番の魅力だと思うマクロ機能と、新しく導入されたSAコントロールについて、どういった特徴があるのかをまとめてみたいと思いますので、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMの購入を検討している方に少しでも参考にしていただければと思います。
外観と仕様
同梱品は説明書とポーチとフードです。
フードは筒型で深さは約53mm、直径は約90mm。裏面にはしっかりとギザギザの反射防止加工が入っています。
レンズの仕様はこちら。
- レンズ構成 13群17枚
- 絞り羽根枚数 9枚
- 最小絞り 32
- 最短撮影距離 0.26m
- 最大撮影倍率 1.4倍
- フィルター径 67mm
大きさは全長が148mm、直径81.5mm、重さが約730gなので、EFの100マクロ(77.7mm×123mm625g)よりも一回り大きく、重くなっています。
手持ちのRFレンズとも比べてみても、24-105mmF4(83.5×107.3mm700g)や70-200F4(83.5mm×119.0mm約695g)の小三元ズームよりも細長くなっているので、100mmの単焦点としてはそこそこ大きいレンズだと思います。
ただ、このくらいであれば手持ちでも問題なく扱える大きさですし、レンズ部分がボールドしやすいので、実際に使ってみると、小さいレンズよりも撮影時は安定感がありました。
レンズ先端にはコントロールリングがあって、その手前がフォーカスリングで、さらに手前にSAコントロールリングがあります。
スイッチはフォーカスリミッターが最短から無限遠のfullと、遠景用の0.5m以上と、近接用の0.5m以下の3段階に切り替えられるようになっています。
そしてAFのオンオフとISのオンオフがあって、反対側にSAコントロールリングのロックスイッチがあります。
フォーカスリミッターについてなんですが、マクロレンズはピント距離の長いので、フォーカスリミッターを切り替えたほうが効率的にAFが動いてくれると思うんですが、このレンズのAFモーターはデュアルナノUSMで、オートフォーカスはかなり速いので、個人的には、ピント距離が限定されたシーンでなければ、常にFULLにしておいてもいいかなと感じました。
ISについてはレンズのみの補正で約5段、ボディ内手ブレ補正との強調制御で8段ということですが、等倍以上のマクロ領域に関しては、なかなか手ブレ補正の効果が得られにくいと思いますし、わたしが使っているEOSRPはボディ内手ブレ補正が入っていないので、実際に手持ちでどのくらいまでブレを抑えてくれるのか試してみました。
まず撮影時に液晶をみたときに、手ブレ補正を入れるだけで映像が安定するのがわかります。
それだけで、フレーミングが楽になるので手ブレ補正の恩恵は十分にあると感じました。
手持ちのライブビューで最短撮影距離付近で何枚か撮影してみましたが、結論としては1/50秒くらいまでなら、なんとか手持ちでもいけそうです。
確かEF100マクロも、等倍撮影ではISの効果は2段ぶんくらいだったと思うので、1.4倍でこのくらい効いてくれるのであれば十分だと思います。
本格的なマクロ撮影になると三脚を使ったほうがいいと思いますし、動きのあるものならもっとシャッタースピードをあげるんですが、静止物であれば手持ちでもギリギリで1/50くらいまでいけるというのを目安に使ってみたいと思います。
マクロ機能について
このレンズの一番の魅力は、やっぱり最大倍率1.4倍まで寄れるというマクロ機能だと思います。
わたしも本格的なマクロレンズを使うのは初めてなので、改めていろいろと調べてみたのですが、まず、マクロレンズというのは「被写体を大きく写せるレンズ」のことで、一般的には撮影倍率が等倍以上のレンズのことを示すようです。
キヤノンのRFマウントには、0.5倍でハーフマクロとか、0.25倍でクウォーターマクロなどと呼んで、寄れることをアピールしているレンズもあるんですが、やっぱり「本格的なのマクロといえば等倍」というイメージがあるので、RFマウントユーザーの方は、この100マクロの登場をずっと待っていたというかも、たくさんいるんじゃないかと思います。
「等倍」まで寄れるというのは、カメラのセンサーと同じ大きさまで寄れるということです。
定規を撮影してみると、フルサイズセンサーの大きさは縦24mm、横約36mmなので、等倍のマクロレンズであれば、それと同じ大きさまで寄っても、しっかりとピントを合わせて撮影することができます。
そしてRF100マクロは、最大撮影倍率が1.4倍なので、ここからさらに寄って、最大で縦約17mm、横約25mmまで寄ることができます。
等倍でもかなりクローズアップした写真が撮れるんですが、さらに1.4倍まで寄ることができてしっかりとオートフォーカスで撮影ができるというのは、やっぱり実際に使ってみて本当にすごいと感じました。
わたしの使っているEOS RPは画素数が2600万位ですが、これがEOS R5とか噂にでている高画素機などであれば、さらにトリミング体制も強くなるので、本当に数ミリの世界でも鮮明に切り取ることができると思います。
ちなみにクウォーターマクロといわれているRF50mmF1.8でも同じように撮影してみたんですが、クウォーターマクロは0.25倍なので、最大まで寄っても横幅は約144mmになります。
こうやって比べてしまうと、さすがにRF50mmのクウォーターマクロというキャッチコピーには疑問に感じてしまいますが、それでも普通のレンズは撮影倍率が0.25倍以下のものが多いので、それだけRF100mmの1.4倍というのがすごい倍率だということがわかります。
この1.4倍の最大倍率まで寄ったときのセンサーからピント面までの最短撮影距離は260mmで、レンズ先端からのワーキングディスタンスは約86mmになります。
この辺は撮るものによっては、もう少し距離がほしいケースもあると思うんですが、1.4倍まで写すには100mmでもこのくらいまで寄る必要があるんだと思います。
ちなみに等倍まで下がったときのワーキングディスタンスは約112mmになります。
EF100マクロの等倍でのワーキングディスタンスは149mmだったので、等倍撮影でもEFマクロよりは近づく必要があるみたいです。
SAコントロールについて
続いて、このレンズのもう一つの大きな特徴であるSAコントロールについてです。
公式ページによると、
「SAコントロールリングを回すことで球面収差を変化させて、自由なボケ描写を実現できる」
と紹介されています。
この辺も言葉だけでは良くわからないので、実際に撮影してみて、どのくらい変化があるのか試してみました。
まずセッティングですが、海外のレビューサイトにSAコントロールの効果は撮影距離が38cm~1mで最大になるという情報があったので、今回はその中間のセンサーから70cmの位置にピントを合わせました。前方に植物をおいて、後方には点光源を置いて、これで前後のボケ味やピント面の変化を比較してみました。
まず+側に回すと、後ろのボケは硬くなって、前ボケは柔らかくなります。
次に−側に回すと、後ろのボケは柔らかくなって、前ボケは硬くなります。
確かにファインダーやライブビューでみていても、SAコントロールリングを回すことで明らかに描写が変わるのがわかります。
実際に撮影したデータをみても、SAコントロールを+側に回したときの背景をみると、ボケの輪郭がくっきりしてバブルボケのような硬いボケになっていますし、−側にまわしたときは逆に輪郭が柔らかくなって、うずを巻いたようなグルグルボケになっています。
ただ、ピント面をみてみると、公式サイトにあるとおり、良く言えば柔らかい雰囲気のソフトフォーカスなのかもしれないんですが、明らかにシャープとは言えない描写で、やはりSAコントロール+−0の状態が最も鮮明に写ります。
こんな感じで、このSAコントロールは単純にボケだけをコントロールできるというわけではないので、なかなか使い所だったり調整加減が難しい機能のように感じました。
個人的には、このレンズにはシャープで鮮明な描写を求めているので、普段はこのSAコントロールを使わないことが多いと思いますが、そういった使い方をするうえでは、しっかりとロックスイッチがついていて誤操作を防いでくれるようになっているのは、ありがたいポイントです。
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM まとめ
RF100mmF2.8 L MACRO IS USMは、RFマウントでは始めての本格的なマクロ撮影ができるレンズですし、強力なISやデュアルナノUSMなどの最新の機能によって、マクロ撮影以外でも、ポートレートだったり動画撮影などでも凄く使い勝手が良さそうなレンズだと思います。
そして、SAコントロールという新しい機能が加わったことで、うまく使いこなすことができれば、オールドレンズのような独特な描写を楽しむこともできると思うので、本当に用途の広いレンズです。
今回は屋内で少し使ってみての感想をお伝えしたんですが、これから屋外でもいろいろな写真を撮ってみて、本格的なマクロ撮影をしてみたり、SAコントロールによる描写の違いについても、改めてしっかりと比較してみたいと思います。
以上、キヤノンのRF100mm F2.8 L MACRO IS USMのファーストインプレッションをお伝えしました。最後まで読んでいただきありがとうございます。